トム・クルーズ『ミッションインポッシブル1』の有名なシーン 宙吊り侵入/吊り下げ/ぶら下がり シーン イラスト
映画『ミッションインポッシブル1』トム・クルーズが天井から宙吊りになりギリギリで水平に身体を保つ シーン イラスト
「ミッション:インポッシブル/Mission: Impossible」第1作目(1996年)の、トム・クルーズ演じるイーサン・ハントが天井から吊り下げられてデータを盗むシーンは、映画史に残る名場面として非常に有名です。このシーンは、シリーズを象徴する場面として語り継がれており、スパイ映画ファンならずとも一度は目にしたことがあるはずです。
元の画像は16:9ですと、少々横幅が足りなかったので、左右の端の背景をオリジナルで描いて16:9サイズにしてあります。トムクルーズの足も見切れていたので、全身入るようにしてあります。また、トム・クルーズの顔も手前の手で隠れておりましたので、トムの顔が見えるように手の位置を変更してあります。この世で一つです。原画は1920×1080サイズ。
舞台はどこかというとCIA本部、正確には「非公式NOC(非公式諜報員)リスト」が保管されている極秘のデータルーム。この部屋は超厳重なセキュリティに守られていて、圧力感知の床、温度センサー、音センサーなどが張り巡らされており、通常の手段では侵入不可能という設定です。だからこそ、イーサンは宙づりになるという、極限まで身体能力と精神力が試される方法で侵入するわけです。
このシーンの緊張感は尋常ではありません。わずかな音、汗一滴すらが命取りになりかねない状況の中、イーサン(トムクルーズ)は一切床に触れることなく、慎重にデータを盗み取ります。そして、このシーンが名場面とされるもう一つの理由は、セリフに頼らず「無音の中でのスリル」を最大限に活かしていること。観客も息を止めてしまうような、圧倒的な緊張感が画面いっぱいに広がっています。
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さて、この作戦を成功させるにはチームプレイも欠かせません。天井の換気口の上、つまりイーサンをワイヤーで吊って支えているのはジャン・レノ演じるクルーガーです。彼は、イーサンが床に触れないよう、上から慎重にロープを調整し続けるのですが、途中でネズミが出てきたり、自身の体勢が崩れかけたりとハプニングも起きます。そのたびに緊張感がさらに高まり、まさに「一秒たりとも見逃せない」シーンに仕上がっています。
この場面は、映画全体のテンポの中でもひときわ静かで、それゆえに逆にエネルギーに満ちた瞬間として印象に残ります。アクションではなく「沈黙によるサスペンス」で魅せる、スパイ映画としての『ミッション:インポッシブル』の本質が凝縮されたシーンなのです。シリーズが進むにつれてどんどんアクションが派手になっていく中でも、この初作のこの場面は今なお「原点にして頂点」と語られるほど、多くのファンにとって特別なものとなっています。
『ミッションインポッシブル1』でトム・クルーズが天井から吊り下げられるシーン(Drop Scene)はよく他の映画でもパロディ化されている
『ミッション:インポッシブル』(1996年)でトム・クルーズ演じるイーサン・ハントが天井から吊り下げられるあの名シーンは、海外でも非常に有名で、数えきれないほど多くのパロディやオマージュの対象になっています。
そのシーン、通称「宙づり侵入シーン(Drop Scene)」は、映画史上でも最も象徴的なスパイ映画の瞬間の一つとされており、ビジュアルのインパクト、スリル、そして独特のポージング(水平に吊るされて両腕を広げるような姿勢)が、観客の記憶に強く残るからです。
海外では以下のような作品でパロディ化されています。
● 『シュレック2』(Shrek 2)
猫のキャラクター“プス(長靴をはいた猫)”が、イーサン・ハントばりにロープで吊られて侵入するギャグがあり、完全にあのシーンのオマージュです。
● 『ザ・シンプソンズ』(The Simpsons)
長寿アニメ『ザ・シンプソンズ』では何度もこの宙づりシーンのパロディが登場しています。ハーマンが盗みに入る場面や、ホーマーがくだらない目的で宙づりになったりと、ユーモアに満ちた再現がされています。
● 『マダガスカル』シリーズ(Madagascar)
ペンギンズがミッションを遂行するシーンで、やたらと劇的に宙づりになる演出がされており、BGMもそれっぽくなるなど、明らかに『ミッション:インポッシブル』を意識しています。
● 『トイ・ストーリー2』(Toy Story 2)
バズ・ライトイヤーが店のセキュリティをかいくぐってミッションを遂行するシーンで、まさにトム・クルーズのように宙づりになります。もちろん、子供向けのテンションですが、映画ファンならすぐピンとくる演出です。
また、海外のコメディ番組やCMでもたびたび使われており、「誰かが何かを盗むときに宙づりになる=ミッション・インポッシブル」という構図が、もはや共通言語的に浸透しています。パロディというより“文化的アイコン”になっているといっても過言ではないでしょう。
しかも、パロディされるたびにBGMとしてよく使われるのがあの有名な「♪タン タン タン タン…」というミッション・インポッシブルのテーマ曲。これを流しながら誰かが吊られていれば、もうそれだけで観客は「ああ、あのシーンね」とわかってしまう。これは映画としての成功以上に、大衆文化に食い込んだ証拠です。
つまり、あの宙づりシーンは、ただのスパイアクションではなく、映画の枠を超えてユーモアやポップカルチャーの中でも生き続ける“伝説的ワンシーン”なのです。
テレビ番組・広告・Yottubeチャンネルのイラストレーター森本レオリオ このホームページにつきまして
リアルイラスト/テレビワンシーン イラスト/illustration/森本レオリオ