高倉健の任侠映画『昭和残侠伝唐獅子牡丹(からじしぼたん)』は放送禁止になっているのか
主題歌「唐獅子牡丹」の七番に問題があるのか
高倉健の「唐獅子牡丹」は完全な「放送禁止」にはなっていませんが、放送・配信には一部制限がある場合があります。
任侠映画全般における「暴力的表現」「反社会的勢力との関連イメージ」**への社会的配慮が年々強まっており、特にテレビ地上波や一部の配信サービスでは「選定・編集」が慎重に行われることがあります。たとえば、かつては頻繁に再放送されていた東映の任侠映画シリーズも、近年では配信や放送頻度が減少傾向です。
本当の画像よりも「唐獅子牡丹」のイレズミが見えやすいようにイラストを描いてあります。本物はもうちょっと右に流れていますので、真ん中に刺青を持ってきております。また、背景は完璧にオリジナルです(16:9で描いてあります)。原画は1980×1020です。
曲の歌詞は7番まで存在し、一般に流通しているのは1番〜3番または4番までです。
7番の歌詞は、現在では一部メディア・カラオケ等で非掲載や削除されることがあります。
理由:
過度に暴力的・報復的な内容が含まれている。
反社会的価値観(報復の肯定など)を含むと解釈され得る。
現代の放送倫理基準(BPO)やJASRAC、メディアの自粛基準により、「青少年への影響」を理由に一部伏せられている
具体的に7番の歌詞は?
JASRAC管理下のため全文の掲載はできませんが、要点だけを中立的に要約します:
「親分の敵を討つために命を捨てる」
「返り血を浴びてでも義理を通す」
…という、血なまぐさい報復・復讐の美学が強く描かれています。
このような内容が、現在の放送・配信では暴力賛美と取られるおそれがあるため、一部媒体では省略・カットされています。
任侠映画『昭和残侠伝(しょうわざんきょうでん)』唐獅子牡丹。唐獅子牡丹の刺青とは何を表現しているか
「唐獅子牡丹」は、日本の任侠映画などでよくモチーフとして扱われる刺青の図柄で、
・獅子(唐獅子)=勇猛果敢な男らしさ
・牡丹=華やかさと儚さ
この二つが組み合わさることで、侠気と美学を象徴します。わしています。
唐獅子、つまり中国風の獅子は、百獣の王としての強さや威厳を持ち、外敵を退ける守護の象徴とされてきました。その獅子が咲き誇る牡丹の中にいるという構図は、「力の中にある華」「猛々しさと優雅さの共存」という、日本的な二面性の美しさを表しているのです。
この刺青を背負う者は、自らを獅子に重ね、己の信念や義理、筋を通す覚悟を肌に刻んでいるのだと言えます。牡丹はただの花ではなく、豪華さと同時に、儚さや散り際の美しさをも表す花です。だからこそ、唐獅子牡丹は「華麗にして猛々しく、そして潔く散る」――そんな美徳を一枚の背中に描くものとなったのです。
高倉健が演じた渡世人が背負っていたこの刺青は、単なる装飾ではなく、言葉にせずとも彼の「生き方そのもの」を語るものでした。黙して語らぬ健さんの背中に、観る者は義理人情、誇り、そして哀しみを見るのです。
テレビ番組・広告・Yottubeチャンネルのイラストレーター森本レオリオ このホームページにつきまして
リアルイラスト/映画ワンシーン イラスト制作/illustration/森本レオリオ