「全裸監督」イラスト 山田孝之
村西とおる監督の人生を虚実交えて描いたドラマ作品
『全裸監督』全羅監督(ぜんらかんとく、英題:THE NAKED DIRECTOR)は、2019年8月8日よりNetflix(ネットフリックス)で配信されたドラマ。
本作は全世界190か国に同時配信。村西とおる監督役のオファーを受けた山田が、原作にあたる本橋信宏「全裸監督 村西とおる伝」(太田出版)の帯に記された『前科7犯、借金50億』という文字だけを見て即決。村西とおる監督本人ともディスカッションを交え、バブル景気にわく1980年代の日本を舞台に、“アダルトビデオの帝王”と称された村西とおる監督の人生を虚実交えて描いたドラマ作品。
また、村西とおる監督の愛人と言われていたミステリアスなAV女優・黒木香の人生も並行して描いている。
黒木香は“ワキ毛女優”として一斉を風靡し、バラエティ番組にもひっぱりだこでしたが90年代はじめに引退。94年に自殺未遂を図るなど世間を騒がせたが、それ以降の消息はほとんど聞こえてこない。
ナイスですね~!
村西監督の「ナイスですね~!」「ゴージャスでございます」「お待たせいたしました、お待たせし過ぎたかもしれません。」という決め台詞は、彼が英会話教材のセールスマンだったことに由来していたり、彼がどんな事情でエロに傾倒していき、アメリカで収監され懲役370年の刑を求刑され、いかに復活したかなど、虚実ないまぜに描いているのがエロ偉人伝としても非常に興味深い。
80年代の「AV勃興期」描くにあたり、AVの撮影現場のシーンも多く、地上波では絶対映像化できない内容をNETFLIXという“舞台”で描ききっている。
また、『1話あたり数億円』とも言われている予算も強み。潤沢な予算で歌舞伎町のセットをつくりあげ、ハワイロケも敢行。脚本は日本でなじみの薄いチームライティングを採用し、4人チームで1年かけて脚本を練り込み、衣装や小物にも徹底的にこだわり抜いて80年代の雰囲気を再現。
パンツ一丁で伝説のAV監督を怪演した山田孝之の芝居は、観る者すべてを圧倒するほどの凄みを帯びている。